酷暑の中の移動で介護ヘルパーさんが命の危険にさらされている!
8月16日に全国マイケアプラン・ネットワークの例会が行われました。全国マイケアプラン・ネットワークというのは、介護保険のケアプランを自分で作ろうという利用者と家族、および賛同者のネットワークですが、必ずしもすべて自己作成で完結することを目指しているわけではなく、ケアプランをたてる過程で、利用者が真剣に考えて主体的に根拠のあるプランをたてること、自らきちんと考えてサービスを選び、事業者を選ぶことを大切にしている任意団体です。
https://www.mycareplan-net.com/index.html
サービス利用者はもちろんのこと、ケアマネージャーや介護ヘルパーなどの介護職の方や研究者、地域で高齢者や障がい者のサポート活動を行っている方など、さまざまな立場の人たちが参加しています。オンラインで開催される月1回の例会では、サービスに関する疑問や日常生活でのお困りごとなどを各々が発言し、情報交換を行うことで解決の糸口をみつけたり、まったく気づかなかった視点を得られたり、たくさんの学びを得られる場となっています。
16日の例会では、自転車で利用者宅を回っている都心部の介護ヘルパーの方から、今年の夏は長年のヘルパー経験の中でも最も過酷な暑さで、これまではアイスノンを背負って30分はもっていたのが、15分で休憩して水分補給しなくてはならず、喉が焼け、汗で目が開けられなくなると言います。このような中で1日9~10件を回る勤務は命の危険を感じる次元になっており、頭痛やめまいで点滴をすることが常態化しているそうです。
東京都は、暑さ対策・熱中症対策に資する物品の購入に要する経費を補助する「訪問系介護サービス暑さ対策緊急支援事業」が行われています。クーリングベストの購入などをイメージしているようですが、職員数に応じて補助金の上限が定められ、最高が「職員数41人以上・上限50万円」となっており、職員数150人など、大人数の事業所ではとても無理とのことでした。離職を希望する人や特養に勤務を変える人などが相次ぎ、訪問介護は崩壊の危機にさらされています。
参加者のお一人が、政策形成に資するためのエビデンスとして、緻密に介護ヘルパーの実態をデータに残すことが大事だと発言されました。それを受けて介護ヘルパーの方は「早速やってみます」と力強く応じました。熱中症と背中合わせの過酷な労働に、更なる負荷がかかることは間違いなく、それでも立ち向かおうとする彼女の不屈のバイタリティには、ただただ頭が下がる思いです。今起きていることは、他人事ではなく、いずれ自分が直面する問題。私もできることをしなくては。。。